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夫婦間の預金の移動と贈与税

夫婦の財布は1つ。「夫のものは妻のもの」ということがよく言われています。
しかし、相続や贈与の世界では通用せず、多額の相続税や贈与税の本税を課税されるだけでなく、無申告の場合の重加算税(最高40%)が加算される可能性すらあります。

  • 夫の口座に数百万円〜1千万円近くたまると、何百万円ずつ引き出して妻の口座に移しているケース
  • 妻は夫の事業の専従者となっており、家計費は妻の口座から出しているが、夫の事業の口座に数千万円がたまると、1千万円単位で引き出して、妻の口座に入れている事例
  • 60歳過ぎて再婚をした夫から、籍を入れる前に2千万円の贈与を受け、申告をしていない事例
これらの贈与もしくは名義預金は、一般的なことでは税務署が発見することはほとんどありません。
贈与が問題となるのは、相続の時か大きな資産を購入した場合です。


相続の調査で、夫の口座から妻の口座に多額の預金が移されていて、それが相続財産に反映されていなければその理由が問われます。

夫に内緒で預っていたとなれば、名義預金になり相続税が課税されます。

夫がくれると言ったので、夫との合意のもと、預金を移したと言えば、贈与になるかどうか調査官はさらに調べます。

7年以内(5年以内)であれば、贈与として課税した方が無申告加算税も含め、相続税よりもよい多い税額が課税出来ることも多いのが現実です。3年以内贈与であれば、相続財産に加算されますが、贈与税の基礎控除を超えている贈与で申告がしていなければ無申告加算税は別に課税出来ます。

3年超〜7年までの贈与であれば贈与が1,110万円を超えれば50%の利率で課税出来ますので、相続税でとるよりも、贈与税で課税した方が税額が増えます。明らかに名義預金であれば、相続財産に加算して相続税をとります。

7年超の贈与は、贈与の要件が成立していないとして、名義預金として相続財産の中に取り込まれてしまいます。
名義預金であれば、時効は一切問題ありません。
亡くなった人が20年前、30年前に子供名義、妻名義で作った預金であっても、相続税の課税対象になります。



7年より以前7年〜3年3年以内
相続税課税贈与税課税相続税課税
名義預金名義預金贈与税の申告漏れ贈与されたものは
すべて相続財産に加算



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税理士・行政書士・ファイナンシャルプランナー
約20年間の相続実務の経験を有し、 最高税率(旧70%。現50%)の適用になる相続税の申告、弁護士との共同で相続紛争の解決、相続税の更正の請求による数千万円の還付を受けた経験者

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