相続税の節税対策
相続税の節税対策は、生前に行う対策と相続発生後でも間に合う対策があります。相続税は亡くなられた方の財産を、相続・遺贈・死因贈与によって取得した人に係る税金です。
相続税の負担を減らすには、現在の税法では、相続人の人数が増えれば税金が少なくなります。また、相続財産そのものが減れば相続税も減ります。さらに、相続財産を減らさなくても評価が低い財産に組み替える事によっても相続税を減らすことができます。
以下の、自分でもできる相続税の節税対策について検討してみてください。なお、対策によっては専門家とよくご相談のうえ実行されることが重要です。各対策のメリット、デメリットを慎重に検討してください。
1. 財産の現況と構成をつかむ
預貯金、土地(貸地)、家屋(貸家)、上場株式等有価証券など、プラスの財産と、住宅ローン、未払金などのマイナスの財産、これらの財産を一覧表にまとめ、1年に1回は財産目録を作成することをお奨めします。
それによって、財産の評価額の増減もわかります。土地家屋等の不動産が、財産全体の中でどのくらいの割合を占めているかを把握することは大切です。不動産は、すぐに換金し難いものです。相続税の納税は、金銭一時納付が原則です。物納の場合も、要件がそろわないと物納不適格ということになってしまいます。
2. 法定相続人を増やす
孫や相続人の配偶者等と養子縁組することにより、相続人の人数が増えれば、相続税の遺産に係る基礎控除額も増額し、課税遺産総額を法定相続人の数で除して求める、法定相続分に応ずる取得金額は減額しますので、相続税の総額が減り、節税対策になります。
他の相続人の相続分が減少することによるトラブルや、孫が養子になることによる弊害もありますので、メリットデメリットをよく検討する必要があります。
3. 生前贈与により相続財産を減らす
暦年課税による贈与の場合、毎年110万円まで基礎控除があるので、その範囲内の贈与であれば、贈与税が課税されずに、財産を異動させることができます。
110万円の贈与でも、5人にすれば550万円、それを10年に続ければ5,500万円も相続財産を減らすことができます。
民法(549条)に規定する贈与は、自己の財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手方がそれに受諾することによって成り立つ片務・諾成・無償の契約です。あげる人「贈与者」ともらう人「受贈者」の「あげます」「もらいます」明確な意思のやりとりが必要です。一方的にあげたことにしたり、自分で通帳を管理したり引き出しをしたりしていると、いくら贈与税の申告をしていても、贈与と認められませんので注意してください。
贈与税には、相続時精算課税という制度もあります。一度こちらを選択すると110万円の基礎控除のある暦年課税制度には戻れませんので、この点も注意してください。
また、相続開始前3年以内にされた贈与財産は、相続財産に加算されます。この場合課税された贈与税額は控除されます。つまり、亡くなってしまうかもしれないという間際になって、バタバタと生前贈与対策をしたものは無しにして、相続税の計算をするということです。相続人ではない息子の嫁や孫への贈与は、これに該当しませんので、当時の贈与税で完結しています。
贈与税の配偶者控除を使う
適用要件に合えば、その年の課税価格から、次のうち少ない方の金額を控除できます。
- 2,000万円
- 贈与を受けた居住用不動産の金額と
贈与を受けた金銭で居住用不動産に充てた部分の合計額
要 件
- 同じ配偶者からの贈与税の配偶者控除の適用は、1回のみ
- 婚姻期間が20年以上(1年未満切捨)である配偶者間の贈与であること
- 贈与財産は、居住用不動産か、居住用不動産取得のための金銭であること
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与を受けた居住用不動産、贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、居住し、その後引き続き居住の見込みであること
- 一定の書類を添付して、贈与税の申告をすること
4. 財産の評価額を下げる
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
対象宅地
- 特定事業用宅地等
- 特定居住用宅地等
- 特定同族会社事業用宅地等
- 貸付事業用宅地等
限度面積
- 特定事業用等宅地等(特定同族会社事業用宅地等を含む)…400平方メートル
- 特定居住用宅地等…240平方メートル
- 貸付事業用宅地等…200平方メートル
- 対象宅地を合わせて使う場合は次の式で換算します
特定事業用等宅地等の面積+特定居住用宅地等の面積×5/3+貸付事業用宅地等の面積×2≦400平方メートル
減額割合
- 特定事業用宅地等…80%
- 特定居住用宅地等…80%
- 特定同族会社事業用宅地等…80%
- 貸付事業用宅地等…50%
分割要件
特例の適用を受けようとする宅地等が相続税の申告期限までに分割されていること。
ただし、分割されていない場合であっても、次のいずれかに該当するときは、この特例の適用を受けられます。
- 相続税の申告期限から3年以内に分割された場合
- 相続税の申告期限から3年を経過する日において分割できないやむを得ない事情があり、税務署長の承認を受けた場合で、その事情がなくなった日の翌日から4か月以内に分割されたとき
申告要件
相続税の申告書に、この特例を受けようとする旨などを記載するとともに、一定の書類を添付する必要があります。
アパートの建築による貸家建付地の評価減
貸地のように評価額が高く、現金化し難い土地を生前に処分する
5. 非課税枠を利用する
保険金の非課税限度額
被相続人の死亡により相続人(相続を放棄した者を除く)が取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していた場合、すべての相続人が受け取った保険金の合計額が非課税限度額を超えるとき、その超える部分が相続税の課税対象とみなされます。
非課税限度額=500万円×法定相続人の数
- 法定相続人の数は、相続の放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
- 養子がいるときは、法定相続人に含む養子の数が変わります。被相続人に実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人です。
退職手当金等の非課税限度額
被相続人の死亡により、退職手当金等を遺族が受け取る場合で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したもので、すべての相続人が受け取った保険金の合計額が非課税限度額を超えるとき、その超える部分が相続税の課税対象とみなされます。
非課税限度額=500万円×法定相続人の数
- 法定相続人の数は、相続の放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
- 養子がいるときは、法定相続人に含む養子の数が変わります。被相続人に実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人です。
主な業務エリア
<千葉県>千葉市(中央区、稲毛区、花見川区、美浜区、若葉区、緑区)四街道市、習志野市、船橋市、浦安市、市川市、市原市、鎌ケ谷市、柏市、松戸市、野田市、成田市、佐倉市、東金市木更津市、銚子市、館山市、茂原市、、旭市、勝浦市、流山市、八千代市、我孫子市、鴨川市、君津市、富津市、袖ケ浦市、八街市、印西市、白井市、富里市、いすみ市、匝瑳市、南房総市、香取市、山武市印旛郡(酒々井町、印旛村、本埜村、栄町香取郡(神崎町、多古町、東庄町)山武郡(大網白里町、九十九里町、芝山町、横芝光町長生郡(一ノ宮町、睦沢町、長生村、白子町、長柄町、長南町)夷隅郡(大多喜町、御宿町)安房郡(鋸南町)<東京都>葛飾区、足立区、荒川区、台東区、江戸川区、墨田区、江東区、千代田区、中央区、港区、文京区、豊島区、新宿区、渋谷区、目黒区、品川区、大田区、世田谷区、中野区、杉並区、北区、板橋区、練馬区