千葉市中央区相続相談センター千葉電話043-224-0505

生前預金の引き出しと相続財産分割 相続税



千葉で母と同居していた長女が、母の生前に多額の預金(3,000万)を引き出していたことが判明しました。
すでに、6ヶ月前に遺産分割協議書を相続人全員の合意で、銀行の残高証明書をもとに作成してしまいました。
相続人は千葉の長女、東京世田谷の次女、渋谷区在住の弟です。
この3,000万円は遺産分割の上でどのように扱われるのでしょうか。
また、相続税の申告は1週間前に済ませてしまっています。
相続税法上はどのように扱われるのでしょうか。(東京世田谷区)




生前に、預貯金を同居している相続人である親族が引き出しているケースは頻繁にあります。このような生前の預貯金の引き出しは、民事上の相続問題及び相続税法上の問題と両面から検討することが必要です。

民事上からの相続、遺産分割問題

相続が発生して遺産分割を行う場合は、原則として被相続人が死亡したときに有していた財産を、相続財産として分割を行うことになります。
したがって、被相続人の預貯金を長女が引き出していた場合には、それらの預貯金の使途について解明することが必要になります。

被相続人のために使った場合

長女が被相続人の生活費等のために被相続人から依頼されて預貯金を引き出しており、すべてを生活費にあて、残りの現金はない、ということであれば問題はありません。
特に、同居している親族が生計を一にしている場合で介護も行っている場合には、家計簿をつけて食費、水道光熱費等の生活費と介護の費用、療養費等を明確にしておくことが必要です。

相続人(長女)が特別受益を得ている場合

生前に引き出した預貯金が生活費を超えていて、余った分の預金を長女がもらっていたということであれば、その分は特定の相続人(長女)の特別受益に該当するとも考えられます。
また、被相続人である母の承諾を得ないで多額の預金を引き出していたということであれば、不法行為になり生前に母が長女のそのような行為を知っていたならば、損害賠償の請求もしくは不当利得返還請求をしたと思われます。
今では母は既に亡くなっていますので、不当利得返還請求権あるいは損害賠償権が相続され、それぞれの相続人が法定相続人分に応じて取得したと考えられます。
これらの法定相続分に応じた権利を長女に対して請求することが出来ると考えられます。

相続実務上の対応

これらの預貯金の引き出しが、母の依頼によってされたのか、引き出しの理由、月々の生活費等によって結果が異なってくるため、他の相続人は長女に対してこれらの理由を明確にするよう求めることが必要です。
また、金融機関に対して過去10年間の預貯金の出し入れの状況や引き出しの際の払戻用紙の筆跡等も調査をすることが必要になります。
相続人ができることを、できるだけ自分達で行い、長女との間でどうしても解決できない場合には、弁護士等の専門家に依頼することが必要なると思われます。

生前預金の引き出しと相続税法上の対応

生前に預金の引き出しがある場合には、課税庁(税務署)はそれらの預金の使途について高い関心を持ち、税務調査の対象になる確率が高いと考えられます。
場合によっては、相続財産として相続税の追徴課税がなされたり、贈与税の課税の対象になることもあります。

預金の引き出しが被相続人の生活費に充てられていた場合

被相続人の生活費に引き出された預金が使われており、今現在残っていないのであれば相続税の課税にはなりません。
被相続人と生計を一にする長女の生活費に一部が使われていたとしても、原則として贈与税の対象にはなりません。
しかし、長女の自家用車や貴金属に使われていたということであれば、贈与税の課税対象となります。

被相続人の生活費を超える預金の引き出しがある場合

被相続人の生活の状況や様々な統計資料から、被相続人の生活費の状況について調査を行い、それ以上の金額が通帳から引き出されていた場合には、税務上の問題が発生する可能性があります。

引き出された金額を、相続人が親の了承を得ずに使ったということであれば、貸付金として相続税の課税対象になる場合があります。
引き出された預金を、相続人名義で預金をしている場合には、名義預金としての課税がなされます。
または、現金として自宅や貸金庫に保管されていれば、被相続人の相続財産としての課税が行われます。

相続財産の調査では、微妙な問題も多く、もらったのか、勝手に引き出したのか、借りたのか、被相続人のために使ったのか等、質問に対する回答の仕方やメモ等から判断がなされます。それによって課税額が大きく違ってくるため、相続に強い専門の税理士の立ち会いのもと、調査の準備や当日の相続税調査対策を行うことが必要です。
相続相談センターでは、相続に強い専門弁護士と税理士とのチームによって、相続問題の円滑なか行けるをサポートしています。

 

 

「相続ニュース&トピックス」へ戻る  

 


主な業務エリア
<千葉県>千葉市(中央区、稲毛区、花見川区、美浜区、若葉区、緑区)四街道市、習志野市、船橋市、浦安市、市川市、市原市、鎌ケ谷市、柏市、松戸市、野田市、成田市、佐倉市、東金市木更津市、銚子市、館山市、茂原市、、旭市、勝浦市、流山市、八千代市、我孫子市、鴨川市、君津市、富津市、袖ケ浦市、八街市、印西市、白井市、富里市、いすみ市、匝瑳市、南房総市、香取市、山武市印旛郡(酒々井町、印旛村、本埜村、栄町香取郡(神崎町、多古町、東庄町)山武郡(大網白里町、九十九里町、芝山町、横芝光町長生郡(一ノ宮町、睦沢町、長生村、白子町、長柄町、長南町)夷隅郡(大多喜町、御宿町)安房郡(鋸南町)<東京都>葛飾区、足立区、荒川区、台東区、江戸川区、墨田区、江東区、千代田区、中央区、港区、文京区、豊島区、新宿区、渋谷区、目黒区、品川区、大田区、世田谷区、中野区、杉並区、北区、板橋区、練馬区

MENU

お気軽に
ご相談ください

043-224-0505

信頼と実績
相続相談センター千葉/東京 田代浩
代表者 田代浩
税理士・行政書士・ファイナンシャルプランナー
約20年間の相続実務の経験を有し、 最高税率(旧70%。現50%)の適用になる相続税の申告、弁護士との共同で相続紛争の解決、相続税の更正の請求による数千万円の還付を受けた経験者

著作等

「社長のための”いい税理士”の探し方」
「社長のための 
”いい税理士”の
探し方」

「財産を守る賢い相続税対策」
「財産を守る 
賢い相続税対策」




■ 免責事項 ■ 当サイトの掲載の内容によって生じた損害につきましては、当方では責任を負いかねますのでご了承ください。
実行に際しては、専門家への相談をおすすめします。
Copyright by 相続相談センター千葉 このホームページに掲載されている文章・画像の二次利用・無断転載を禁止いたします。