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農家の相続問題 農地

農業を行っている農家の相続は、一般会社の経営者の相続や会社員の相続とは違った困難な面があります。

農家には当然に農地があり、農地は一般的には広大です。特に三大都市圏に農地を有している場合には、宅地に転用した場合等も考慮すると農地の評価額は多額になります。

農地の評価額が大きく、全体の相続財産に占める割合が高い場合には、他の相続人に対してどのような財産を相続させれば納得が得られるのかを考慮しなければならず、遺産分割が難航する場合もあります。

農地の相続には、農地法や税法による納税猶予制度等様々な制約があることから原則として単独相続にせざるを得ないからです。


特に都市近郊農地や三大都市圏の特定市の生産緑地について相続税法上の評価額や固定資産税の評価額と宅地に転用して売却した場合の評価額(あるいは時価)の間には非常に大きな開きがあるためどちらの評価額を使うことが公平であるのかということについて相続人間にトラブルになることが多くあります。 農業投資価格で計算した価額と時価との間には極端な差が生じます。 首都圏の東京23区、千葉、神奈川、埼玉県では、特にこのような問題が生じています。

農業投資価額

相続税の納税猶予制度における猶予税額の基礎となる農業投資価格とは、特例農地等恒久的に耕作等の用に供される土地として取引が行われた場合に、通常成立する価格として、各国税局長が決定した価格を言います。

純粋な農地としての取引価格をいい、潜在的な宅地としての期待される売却価額や、賃貸もしくは使用するときに生まれる増差益を除いた価格とも言えます。

平成24年分10アール当り
 採草放牧地
東京都900,000円800,000円510,000円
千葉県790,000円790,000円490,000円
神奈川県830,000円800,000円510,000円

10アール当りの価格ですので、通常の取引時価と比べて極端に低くなっています。また、生産緑地も通常の時価よりも低い評価額になります。

これらの価格をめぐって、農地等を相続する農業相続人と、他の相続人との間で争い(トラブル)になり、法定相続分がたとえば3分の1で、それに従って遺産分けをしようとなった場合に基になる財産評価額に争いがあるためなかなか分割ができないとういうことになります。

農業相続人は、農業を続けていくことが前提で売却する予定がないのだから、農地としての低い評価額を主張。
会社員等その他相続人は、農地を宅地に転用して売却することも可能であるし、純粋な農地としての価額には納得できない。 現に道1本隔てた宅地は、坪100万円の評価になっている等と主張する。

このように価格を巡ってのトラブルの可能性があると同時に、相続財産のうちに占める割合が農地が大部分である場合には、他の相続人に対して農地を相続した相続人が代償分割で自分の所有している現預金を分け与えることが必要になります。

また、遺産分割が相続税の申告期限までに決まらなければ、相続税の納税猶予の特例も受けることが出来なくなり最悪の結果となります。

農家の生前相続対策

農家の生前相続対策として、親が農地は全て農業を引き継ぐ相続人に相続させるという遺言書を作成しておくことが絶対に必要です。

また、他の相続人には農業を引き継ぐ相続人から遺留分相当額の現金を渡せるように生命保険等を使って用意をすることも必要です。あくまでも生命保険の受取人は農業相続人とすることです。受取人を他の相続人にしてしまえば何の意味もなくなりますので専門家にご相談下さい。

親が子に現金を贈与し、これにより農業相続人となるべき子が親に生命保険をかけておけば、その子の一時所得となり相続税の課税対象にもなりません。

その他、様々な代償分割資金対策がありますので、ご相談ください。

また、生前に遺留分の放棄をさせるという方法もありますが、必ずしも認められるわけではなく要件がありますので、これらも専門家にご相談ください。

相続発生後の農家の相続対策

遺言書がある場合とない場合により対策が異なります。
遺言書がない場合には、納税猶予等を予定している場合には速やかに遺産分割協議を成立させ遺産分割協議書を作成することが必要です。

また、農業委員会への届出や、納税猶予の手続等、様々な手続に要する時間が必要になります。
農業を継続しない場合には、農地を売却する可能性も出てきます。その場合には農地から宅地への転用等時間がかかることが多いため、さらに早めに相続手続きをすすめることが必要になります。東京、千葉、神奈川の農家の相続対策は相続相談センターにお気軽にご相談ください。無料相談実施中です。

 

 

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相続相談センター千葉 田代浩
代表者 田代浩
税理士・行政書士・ファイナンシャルプランナー
約20年間の相続実務の経験を有し、 最高税率(旧70%。現50%)の適用になる相続税の申告、弁護士との共同で相続紛争の解決、相続税の更正の請求による数千万円の還付を受けた経験者

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