相続権を有するか否かは大変重要な問題です。
戸籍に子として記載されている人は、原則相続権を有します。
親子でないのに間違った出生届がなされたり、養子縁組がないのに養子として届出が出された場合、あるいは認知届が他人によって勝手になされたような時も、子として父の相続人になるか否かが問題になります。

子が親の相続人になるのは、親子という血縁関係によって認められるもので、戸籍の記載によるのではありません。したがって、これらの者は、本来相続人とはなれないものです。
とくに戸籍の受理は届出事項を実質的に審査するわけではないから、虚偽の届出も受理されてしまうことがあります。ただ戸籍に記載された事項は、一応真実だという推定力と公証力があるから、間違ったからといって簡単に訂正することができません。

そこで、戸籍の記載に錯誤または書きもらしなど比較的軽微な訂正事項については、利害関係人は家庭裁判所の戸籍訂正許可を得て、戸籍の記載を訂正することができるものとされています。

しかし、相続権や身分関係に直接影響を及ぼすような重要な事項について、真実に反する記載がある場合は、家庭裁判所に訂正申立てをして、事実に改めるのではなく、家庭裁判所の調停や合意にかわる審判でやるか、それが出来ない以上は、親子関係不存在・養子縁組無効、認知無効確認の確定判決によって、子でないことを確認し、判決謄本を添付して戸籍の訂正をすることになります。

戸籍の訂正がされてはじめて子ではなくなり、相続人ではなくなります。
相続税の基礎控除もそれによって変わります。

 

 

 

 

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