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医療法人・診療所・病院の相続・事業承継・M&A・遺言

持分の定めのある医療法人の相続事業承継

第5次医療法改正により、新たに持分の定めのある医療法人を設立することが出来なくなりましたが、未だ持分の定めのある医療法人は多くの割合を占めているのが実状です。
持分の定めのある医療法人の理事長や理事等の死亡により、相続が発生した場合には、医療法人の出資持分に対して、評価を行い、相続税が課税されます。
大規模医院等であれば、出資持分の評価額が多額となり、相続人である後継者が当該医療法人を事業承継する場合には、多額の相続税の納税が必要になります。

また、相続人が医療法人の経営に関係しない場合には、相続税の納税のために医療法人の出資持分の払戻しを請求されることになります。そのような場合、出資持分の払戻金額が多額になる場合には医業の継続に支障をきたす可能性があります。
医療法人の出資持分の相続税法上の評価は、非上場の株式の評価に準じて行われます。



医療法人の持分と納税猶予制度

中小企業の事業承継においては、相続税、贈与税の納税猶予制度が創設されました。
持分のある社団医療法人に対しても同じように、相続税、贈与税の納税猶予制度が適用されるか否かについて、質問をされることがあります。
平成25年現在の相続税法においては、医療法人の出資について、残念ながら相続税の納税猶予の特例の適用はありません。
厚生労働省や日本医師会も、相続、贈与の納税猶予の特例の適用について、要請しているところですが、現在では適用されていません。今後の課題です。

このようなことから、現行税制では、優良経営の大型医療法人の出資持分を相続する場合に、後継者であれば、莫大な相続税の負担と、他の相続人との間の遺産分割問題が生じます。
また、経営に関係のない相続人から、払戻しを請求された場合には、病院の経営に大きな影響を及ぼすことが考えられます。

相続発生前の開業医、個人病院の相続、事業承継対策

息子等が医者として個人の診療所を引き継ぐことが、決まっている場合の相続事業承継は、医療法人を設立して息子さんと一緒に診療所、病院をやっていくという方法があります。
あるいは、診療所や病院の開設者名義を息子さんに変えて、新たに診療所を開設して、事業を引き継ぐという方法もあります。

相続発生後の開業医、個人医院の相続手続

開業医、個人医院の経営者である医師の死亡により相続が発生した場合には、相続人が病院を引き継いで経営をしていく場合と、廃業する場合に分けられると思います。
相続人が引き継がない場合に完全に廃業するケースと、M&Aにより第三者に譲り渡すケースがあります。

個人病院であれば、一般の事業者の相続と同じように、被相続人である医師の病院の土地建物を含めた全ての個人財産が相続税の課税対象となります。また、診療所の設備や医療機械、営業権も相続税の対象となります。同じく相続における遺産分割の対象になります。
以上の財産は、相続人の一人が医院を継続して、行っていくとすれば、他の相続人との間に遺産分割を巡って、トラブルが発生しないように生前に対策が必要になります。

遺言書の作成はもちろんのこと、医師が所有している全ての財産について財産目録を作成し、評価額を算定しておくことも必要です。
医師の場合には、一般の相続と比較して、相続財産が多額になることが多いため、綿密な相続対策が必要です。
平成27年1月1日からは、相続税の基礎控除が大幅に削減されるため、遺産分割対策と合わせて相続税対策もより一層重要になります。



円満相続のための医師の遺言

医療法人の出資持分を有する場合には、出資持分の評価額を算定し、これらの相続財産に個人で所有する土地、建物、金融資産等を含め、財産目録の作成をもとに、遺言を作成することが円満な遺産分割のためには必要です。
特に、出資持分の評価が高額になる場合には、医療法人を事業承継する相続人と他の相続人との間の遺産分割は法定相続分通りにいかないことが多いと思います。

相続トラブルにより、遺産分割が出来なくなった場合には、医療法人の継続に支障が生じます。
開業医の場合も、診療所(クリニック)を承継する相続人への配慮が必要になります。
その場合にも、他の相続人の遺留分も考慮して、遺言書を作成することが必要です。
医師は富裕層に属する人が多いため、医業の円満な事業承継、相続のために遺言書の作成は欠かせません。

また、遺言の作成の仕方により、相続税の金額が変わってきます。
相続税の節税をも考慮した遺言を作成することが大切です。
弁護士、司法書士、公証人等は、相続税のことを考慮した遺言書を作成することは一般的にはありません。
医師や医療法人の相続、事業承継に詳しい、税理士、行政書士に依頼することが必要です。

医療法人役員、開業医等 富裕層への相続税課税強化

医師や医療法人の経営者等の富裕層は、相続税の最高税率の引き上げの決定や、相続税の基礎控除の縮小等の課税が強化されます。
さらに、所得税の最高税率も55%に引き上げられ、富裕層は今後すべての税について負担が重くなります。

医師等の富裕層は総合的に資産の状況を見直し、相続財産を含むすべての税について、総合的な対策が必要になります。 相続相談センター千葉/東京では、個人病院、診療所等の経営者様、医療法人の相続、事業承継対策等を行っています。 東京23区、千葉、船橋、成田、市川、神奈川、埼玉等の医師の方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

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相続相談センター千葉 田代浩
代表者 田代浩
税理士・行政書士・ファイナンシャルプランナー
約20年間の相続実務の経験を有し、 最高税率(旧70%。現50%)の適用になる相続税の申告、弁護士との共同で相続紛争の解決、相続税の更正の請求による数千万円の還付を受けた経験者

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