減殺は一年以内にしないと消滅する
遺留分の権利者が、遺留分の権利を行使して侵害された贈与または遺贈を減殺するかどうかは、まったくその人の自由です。ただ、減殺請求をされると贈与や遺贈が無効になり、権利関係に変動をきたすことになりますので、できるだけ早く減殺をさせて確定する必要があります。
そこで、遺留分権利者が、相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知ったときから、一年間にこれを行使しないときは、時効によって消滅するとして、短期の消滅時効が定められています。この間に減殺請求をしなければ、その後はできなくなるので注意すべきです。知ったときをいつからカウントするかはケースによって異なります。
減殺の請求は、意思表示だけで足りるのですから、早目に調査し、侵害した贈与または遺贈があれば、その相手方に対し内容証明郵便だけでも差し出す必要があります。
減殺を受けた者が任意に返還に応じない場合にする裁判は、必ずしも一年以内にする必要はありませんが、早くするにこしたことはありません。
また、相続開始のときから十年を経過したときは、たとえ遺留分の侵害があったことを知らなくても、遺留分減殺請求権は消滅してしまいます。
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