遺言に訂正・変更を加える場合
遺言書の変造を防ぐため、遺言者が遺言書の文字や字句を訂正したり、加除した場合には訂正・加除したことについてその場所を指示した上、これを変更したことを付記して、とくにこれに署名し、かつ変更の場所に印を押さなければならないとされています。
たとえば、遺言書に土地300平方メートルと書いたのを、500平方メートルと改める場合には、300に二本の線を引いて印を押し、その横か上に、500と改めて書き、上部欄外にこの行三字訂正とか、遺言書の末尾に、第何行目の上から何字以下、何字を削除し、何字を加入すると記載した上、署名をするわけです。署名まで必要とするのは変造を防止する趣旨ですから、署名が氏名の自書と違う場合は、訂正・変更の効力はありません。
遺言の訂正、変更 厳格な形式
変更の場所に押す印は、氏名の下に押している印影と同一でなければならないし、もし訂正・変更した部分について、法律の定めた要件を欠いている時(印が無いとか署名が無い場合)は、訂正・変更の無い遺言書として取り扱われてしまいます。すなわち訂正・変更の効力は、以上の要件を満たす場合でなければなりません。
遺言書の用紙が2枚以上に渡る時は、これを綴って、綴り目に印を押すべきですが、筆跡その他から1個の遺言書であると認められれば、各用紙の綴り目に契印が無くても有効です。訂正や変更はこのように厳格になりますので、後日トラブルにならないためには、新たに書き直した方が良いと思われます。
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