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遺言に厳格な要件が定められている理由


遺言をするかしないかは遺言をする人の自由であり、強制されるべきものはありません。
また、一旦書いた遺言書も、あとの遺言等によって取り消す事も出来ます。

意思の確認をするため、遺言が無い場合には相続分を基準に財産が分割されることが多いと考えられます。
遺言者の自由意思によって、法定相続分以外の財産の分け方を指定する等、相続人によっては、遺言は大変強力な力を持っています。 遺言は自由ですが、遺言の方式は自由ではありません。

遺言は、遺言者が死亡してから効力を生じるものですので、遺言者自身が真意に基づいて、遺言をしたものであることが明らかであることが必要です。

そこで、遺言書の作り方として、方式が定められています。
民法960条によっても、「遺言はこの法律に定める方式に従わなければすることができない」と、規定されています。
このように、遺言は一定の要式行為であると言うことが出来ます。

さらに、かなり厳格な方式が要求されており、その方式に反すれば、無効になる可能性もあります。
遺言が厳格な方式によらなければならないとされる理由は、遺言書の真意を確保するためです。遺言に厳格な方式が定められていなければ、「被相続人は生前にこの土地を自分にくれる」と言ったとか、臨終に際して長男に「全財産を相続させる」と言ったとか、相続人間で争いとなって、遺言者の真意を明確にすることが出来ません。それにより、深刻な相続争いに拍車をかけてしまうことにもなっています。

また、一定の方式を定めることにより、遺言書の偽造、変造が出来ないようにする必要もあります。




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